疼痛治療としてのハイドロリリース
肩こりや腰痛など疼痛の起こる主な原因は、筋膜が癒着していることにあるとされています。
全身各部位で起こるツッパリ感などもそれに相当します。
筋膜が癒着するのは、全身の筋肉と筋膜が炎症していたり、血行が滞っていたりすることが原因です。
ハイドロリリースとは、ハイドロ(液性)・リリース(剥離)のことを言い、注射によって組織の癒着を剥がして辛い症状を改善していきます。
超音波エコーを使用したハイドロリリース
筋肉や筋肉を包んでいる筋膜は、レントゲンでは見ることができないため超音波エコーを用いて確認していきます。
超音波エコーでは、患者さんの苦痛を訴えている部位やツッパリ感が生じている患部を直接確認することができます。
超音波エコーでは、注射針の先端部分も確認できるため、的確に注射をすることが可能です。
ハイドロリリースの流れ
Step.1問診
身体所見や問診によって、患者様が訴える症状の原因を特定していきます。
Step.2レントゲン検査
症状の原因が関節や骨、脊椎、脊髄の疾患が考えられる場合は、レントゲン検査を実施します。
Step.3超音波エコー検査
超音波エコー検査で原因を確認し、ハイドロリリースによる治療が最適と判断された場合にハイドロリリースを実施します。
Step.4エコーガイド下ハイドロリリース
超音波エコー検査による液性剥離(ハイドロリリース)をエコーガイド下ハイドロリリースと言います。超音波エコーを確認しながら、神経や血管を傷つけずに注射できます。
Step.5ご帰宅
ハイドロリリース終了後、特に異常がなければそのままご帰宅して頂けます。帰宅後安静に過ごす必要はありません。
ハイドロリリースで改善が期待できる症状
- 肩こり
- 肩関節周囲炎
- 肩や頸周囲・腰部の凝り・疼痛み
- 頚椎症
- 僧帽筋筋膜症
- 筋・筋膜性腰痛症
など
治療後の注意事項
- ハイドロリリース当日はシャワー浴が可能です。
- 治療効果の実感には個人差があります。だいたい数日から2週間前後には効果を実感して頂けます。
- 当院のハイドロリリースは自費診療となっております。1回の治療に2~3か所、ひと月に2回程度の治療となります。
- ご帰宅後、安静に過ごして頂く必要はありません。
重要な点
ハイドロリリース後、筋膜の癒着が剥がれて改善しても、適度な運動習慣や筋力強化などを心掛けないと、どうしても再発してしまいます。
これまでの姿勢や動作を改善すること、ストレッチや運動の習慣化など努力することで、治療効果を維持することに繋がります。