首の痛み

交通事故やスポーツ時の強い衝撃によって頸椎の組織（筋肉や骨など）が傷ついて、痛みが生じます。所謂、捻挫を起こした状態です。また、周囲の神経が圧迫されることで、痺れが起こることもあるほか、吐き気やめまい、耳鳴りが伴うこともあります。

背骨の椎骨間にあるクッションの役割を果たしているのが椎間板です。加齢に伴って、頸椎や椎間板が変性を起こすと、神経根や脊髄が圧迫されてしまいます。神経圧迫や脊髄圧迫によって痛みが起こる状態が、頚椎症です。頚椎症は、頚椎症性脊髄症と頚椎症性神経根症の2種類があります。

神経の本幹の脊髄が圧迫されて起こる疾患が、頚椎症性脊髄症です。手足の痺れの症状のほか、箸を持つ、文字を書く、ボタンをはめるなどの動作が難しくなる、足がもつれる感じがするため手すりに掴まって歩行するようになります。

脊髄から別れた神経根を圧迫する疾患が、頚椎症性神経根症です。手指や腕の痺れ症状のほか、頸椎を後ろに反ると強い痛みが起こるため、上を見上げる動作が出来なくなってしまいます。また、上肢筋力の低下や感覚障害が起こることもあります。

首の椎間板が外に飛び出た状態が、頸椎椎間板ヘルニアです。頸椎周囲の神経圧迫によって、強い痛みや痺れが現れます。頸椎椎間板ヘルニアのうち、脊髄圧迫による脊髄症と、神経根圧迫による神経根症では、それぞれ症状が異なります。